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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第20章 水の都へ


『ここ…で良いのよね?』

ミスティは、ルッチ・カク・カリファの3人が潜入しているガレーラカンパニーの前に居た。

『大きい…』

ウォーター・セブンを本拠地とし元々島内にあった7つの造船会社を統合し誕生した超巨大造船会社が、ここガレーラカンパニーだ。通称"ガレーラ"と呼ばれ、商談が成立すれば相手は問わず船や海賊船も作ると聞く。ミスティはドックの数に驚いた。それにチラッと見ただけでも沢山の人が働いているようだ。

『…どうやってルッチを探せば良いの?カクやカリファさんにも簡単には会えないだろうし。』

潜入の方がある意味楽、普通に表から訪ねるなんて面倒だとミスティが困っていると、丁度昼時のようで大工達がぞろぞろとドックから出て来た。

(チャンス!これなら探せるかも!)

そう思いミスティは近寄ろうとしたが、どこからともなく多数のダッダッダッと走る音が聞こえあっという間に大工達を取り囲んだ。そして聞こえてきたのは黄色い声援。

「キャー、お疲れ様です!」
「これ受け取って下さい!」

目をハートにし顔を赤らめ必死に声を掛ける女性達。中には涙を流しているものも居る。

(ブルーノの言ってたのはこういう事ね)

暫く様子を見ていたミスティであったが、収まらない女性達の状況から今は無理だと判断した。

『…やっぱり夜かな』

ブツブツ独言を発しながら歩いているとすれ違った男が声を掛けてきた。

「おい、そこのハレンチ女!ウチに何か用か?」

『…ご飯作って貰えない。』

「おい、ハレンチなお前だよお前!」

グイッと肩を掴まれたミスティは、その時初めて話しかけられていた事に気付いた。

『…すみません。考え事をしていて…何か?』

「ガレーラに用があるんだろ?俺はガレーラで船大工やってるパウリーだ!お前は?」

『あ、えっと私ミスティと言います。…ルッチをご存知ですか?』

「あぁ?お前もルッチに熱上げてんのか?やめとけあんな奴!」

激しい誤解だ。

『あ、いぇ。渡したい物があったのですが…無理そうなので。』

パウリーはミスティの視線の先を辿り、あぁ、と納得した。

『では、私はこれで。』

「…あっ、おい!」

パウリーを無視しミスティはその場を後にした。

「ハレンチの割にいい女だな」

──ミスティね。
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