【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第19章 海軍の御用
※レイン視点
ミスティが出て行ったドアの方を見ている俺にクザンさんが聞いてきた。
「あのかわい子ちゃん、お前の彼女?」
「は?…違いますが。」
「えーじゃあ何なのさ?」
「別に何も。」
そう答える俺に、クザンさんは納得してないようだ。
「嘘だろ?だってあのコを見るお前の目…今のその目!好きな女に向ける目だなぁ。愛おしそうに見つめちゃってさ!」
「……。」
俺の心底嫌そうな視線を無視し、クザンさんは続ける。
「…まぁ、良いコそうだしなぁ。なんつってもあの顔にあの身体!あのおっぱいとお尻…堪んねぇな~。良いよなぁ、お前は。」
「何がです?」
下衆の極みとも言える発言の後に続けられた内容に意図が分からず質問した俺に、クザンさんは信じられないと言った表情で言った。
「はぁ?何がって…ヤッたんだろ?お前。ミスティちゃんと。」
「なっ…!」
俺は思わず、何で知ってるのか?と言いそうになったが何とか言葉を飲み込み、動揺を悟られないようポーカーフェイスに徹した。
「いや、分かるだろ!伊達に歳食ってねぇし。なんつーか雰囲気で分かっちゃうのよね~」
手をヒラヒラさせながらクザンさんが言った。
「まぁ、誰にも言わないから安心しろ。にしても否定しない所、やっぱマジかぁ。でも彼女じゃないって気持ち伝えてねぇの?」
「どうですかね。」
俺は誤魔化すつもりは無いが否定も肯定もしなかった。そんな俺にクザンさんは真面目な顔をして言った。
「…あのコの事、大事にしろよ?大切なもんは自分で守れ。あと、気持ち伝える事ができる時に伝えとかねぇと後悔するぞ。特に俺達のような立場の人間はな。」
いつもは怠そうにどうでも良さそうな事ばかり言う目の前の海軍大将。そんな人から発せられた久々に重みのある言葉。
「…覚えておきます。」
俺がそう答えると同時位に扉がコンコンと音を立て、ミスティがアイスコーヒーを手に戻ってきた。
──大切なものか
俺は心の中で独りごちた。