【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第18章 大事な女
皆が寝静まっている時間なので気配をさせずに自室まで戻った。一応戻るとは伝えていたが、何時とは言ってなかったコリンとセツナには明日の朝に言えば良いかと考えながら部屋に入った。
──ガチャ
1ヶ月振りの自室だが、空気は意外に澄んでいた。コリン辺りが色々してくれたのかもしれない。俺は荷物を置きシャワーを浴びる為浴室に直行した。
さっぱりした身体を拭き取り敢えずパンツを穿いてシャツを羽織り浴室を出た。そこで電気をつけていなかったことに気づきスイッチを入れた。髪を拭きながら目の前の光景に目を剥いた。
「何で此奴が!?」
そこにはいつかの様にソファで眠るロゼが居た。何で此奴が此処に居るんだ?何で俺の部屋に?いや、まず、目ぇ覚ましたのか?何時だよ!てか何で俺に知らせが来ない!?
パニック状態に陥った俺は、ソファで眠るロゼの身体を揺すった。
「おい、ロゼ、起きろ。ロゼ、おい…」
優しく揺すりながら声を掛けるとピクっと身体が反応し長いまつ毛が揺れた。
『ん…』
「…風邪ひくぞ。」
『…レイン?』
「!!」
はっ?此奴、今、俺の事名前で呼んだか?微睡みの中で俺の名前を呼ぶロゼに、俺は柄にもなく焦った。
「くそっ、不意打ちだろうが…」
すると覚醒したのかロゼが叫んだ。
『あ!ごめんなさい!私、寝てしまって…』
「いや、それよりも目ぇ覚ましたんだな。」
『はい…ご心配をお掛けして申し訳ございません。』
「いや、こっちこそすまなかった。身体はもう良いのか?」
そう問いかけるとロゼは申し訳なさそうに答えた。
『はい、と言いたいところですが眠っていた時間が長くまだ前のようには動けません。1ヶ月近くリハビリしているのですが…』
そりゃそうだろ、と俺は思ったが気になる事が1つ。
「…おい、お前、今1ヶ月と言ったか?」
『はい。1ヶ月前に意識が戻りましてそれから復帰に向けて鍛錬を…』
(あいつら…)
俺は思わず舌打ちをしてしまった。それならそうと俺に報告しろ。何故黙ってたんだ。
『あの…すみません。今日お戻りになると聞いたので私の口から直接ご報告がしたくて。部屋にも勝手に…』
「あぁ、いや。もういい。」
俺は冷静さを取り戻しロゼに言った。