第2章 二夜目.ファンには夢を、君には愛を
『私も、良くなかったと思う。気になることとか悩んでること、相談するなら一番最初に大和にするべきだったって思うよ。
今だから言うけど、不安だったんだ。大和は私をまだ好きでいてくれてるのかな。もし気持ちが薄れているなら、私はこのまま大和のそばにいても良いのかなって』
大和は堪らず、エリの頭を自らの胸に押し付けた。
「ごめん。もう出来るだけ不安にさせないようにするからさ。迷わないで。ずっと、俺のそばにいて」
エリは、ついに堪え切れなくて瞳から涙を流した。大和に気付かれないように嗚咽を殺し掠れた声で、うんと呟いた。
「これからは俺もエリを見習って、素直な気持ちを口にしようと思うから」
『本当?』
「ほんと」
『じゃあ、私と三月さんが密会してるの見た時の気持ちリポートしてみて』
「この世に存在する全ての男が、エリの姿とか声とかを認識出来なくなればいいのにと思いました」
『思ったよりも重いの来たなあ』
「というか、エリがミツのことを “和泉さん” じゃなくて “三月さん” って呼んでるの聞いて、嫉妬で怒り狂いそう」
『素直過ぎる大和はちょっと怖い』
「あぁ後これも。
あんたのペンライト、緑にしか点灯しないように細工して帰るから」
二人はけらけらと、ベットの上で笑い転げるのであった。