第2章 二夜目.ファンには夢を、君には愛を
快感が強すぎて、エリは泣きながら鳴く。無意識で、両手はシーツを握り込んでいた。大和はそんな彼女の両手からシーツを引き剥がすと、自分の背中に回した。
エリは、大和にぎゅっと掴まる。すると、大和の口元が耳に近付いて、彼の熱っぽい息遣いがより聞こえて来た。余裕がなくて荒くなった息は熱くて、耳たぶにかかるとそれだけで達しそう。それでなくとも、もう限界が近い。
『っ、やぁ、大和!私、も、っ、イッ』
「は…っ、ごめん、もうちょいだけ、我慢出来るか?」
一緒にイキたいと、大和は苦しそうに眉根を詰める。エリは、それに応えたいと押し寄せる快楽の波に抗う努力をする。下唇に歯を立てて、両眉をぎゅっと寄せた。
そんな顔が、また大和の心に訴える。
「っ、は ぁ…っ、もう、ヤバイな。好き過ぎて、ヤバイって」
大和はエリの両脚を揃えて、抱き締めるように両腕で抱え込んだ。その状態で、より一層激しく腰を打ち付ける。脚を閉じたことで、エリの中は大和をより強い力で締め付けた。
『っ、あ、あぁ!あっ!あ!』
律動の度に、エリの口からは壊れたみたいに甘い声が出てしまう。
肉と肉がぶつかって、弾けるような音が部屋に満ちた。やがて、大和の方にも限界が訪れる。
「っ、エリ…!はぁ…っ、」
『大和ぉ…!ぅ、ぁあ!もう、駄目…っ、ふぅぅっ、気持ち良い…!』
「ん、俺も…、エリ…愛してる…っ」
ベットがギシギシと、大きな音を立てる。二人の耳には、その大きな音ももう届いてはいなかった。
「ッ…!っ、は、エリ、イク…っ!」
大和は小さく身体を仰け反らせると、柔らかい最奥で熱を放った。
子宮口辺りで、ビクビクと脈打つ感覚を味わいながら、エリ自身も達した。