第2章 二夜目.ファンには夢を、君には愛を
臍の横辺りを、大和の指腹がつぅと滑る。僅かに跳ねる全身を、大和は熱い視線で見つめていた。
腰骨を同じように、いやらしい手付きで撫で付けながらわざわざ言う。
「エリの、感じやすくていやらしい身体も好きだなぁ」
『そ、そういう好きはべつに言わなくてもいい!』
「うーん。悪いけど、これからは好きだと思ったら好きだって伝えてくスタイルでいくことに決めたんだわ」
『厄介だなぁ!NEW大和』
「そんな俺、エリは嫌い?」
『いや、そんなことないけど』
「じゃあ、好き?」
『好き』
伝えると、大和はふにゃっと笑う。その笑顔が可愛くて、エリの全身を何とも言えない感情が駆け巡る。
以前から思っていたことだが、大和は “好き” と言われることが嬉しいらしい。自分のことを好きだと思っているのか、きちんと愛してくれているのか、確かめたがる節があるのだ。
ドライのようでいて、他人からの愛情を人よりも欲しているような気がする。
エリが愛情を込めた言葉を贈ることで、彼が喜んでくれるなら。安心してくれるなら。いくらだって口にしたいと素直に思える。