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十六夜の月【アイナナ短編集】

第4章 四夜目.恋のかけら




環の腕はするすると上に移動して、胸の膨らみへと到達する。何かと雑な面がある環だが、おどろくほど丁寧に触れた。


「…柔らか、めっちゃ気持ちい」

『ふふ。私も、ん…気持ち良いよ』


環の頭を両腕で抱えた。すると、ちゅっと胸の頂が強く吸われる。


『っ、あ!』

「ん、…声、えろ。もっと、聞かせて」


それを口に入れたまま喋られて、もどかしい刺激がエリを襲った。

果実を口中や舌先で弄びながら、彼は腕を下へ下へと伸ばす。やがて茂みに到達して、硬い指先がふやけた敏感な突起を捉えた。


『ひ…ぁ!!』


堪らず環に両腕を回す。


「えりりん、きもちい?」


陰核を指先で突きながら、環は問うた。エリが何度も首を縦に振ると、彼は指を一本挿入する。
女性の秘部がこんなふうになってしまうことを、初めて知る環。探るように、しかし丁寧にエリの中をほぐしていく。


『 ——っ、ふ、…んぅっ!』

「どこ?……ここ?」

『ん、そこ…、好き』


エリが身をよじらせるのを見て、環の中に不思議な高揚感が溢れた。

そっと、彼の半身に手を伸ばす。しかし環は焦って首を振った。


「お、俺のはいい!」

『どうして?タマちゃんだけ狡い。私にもさせて?』

「だって…多分、いま触られたらすぐ…」


ごにょごにょと赤い顔で言ってから、再びエリに覆い被さる。


「なぁ。もう入れても、いい?」


エリは静かに頷いた。

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