Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
「私は…ずっとこの島で生まれ、この島で育ってきた。両親を殺されて、夢を追いかけて、仲間を殺されて、もう数え切れないほどの大切な人間を失ってきた。そしていつしか私の精神が崩壊したりもした…」
ディーターがゴクリと生唾を飲み込む音がする。
「たくさんの人の人生も崩壊した。私が特別なわけじゃない。たくさんの人がいろいろな犠牲にあった。その仇を、私は討ちたい。どうしても。その思いだけが毎日毎日積み重なっていくの…」
ルーナが眉間に皺を刻み、悔しそうに奥歯を食いしばっているのが分かり、ディーターは眉をひそめた。
「ああ…そうだよな…」
静かな静寂の中、なんとも言えない生暖かい空気が2人を纏う。
「私はね、あなたに初めて会ったあの日、あの時から、もう情は捨てたんだよ。私は皆の無念を晴らして、散々傷つけられた皆の魂が報われる方を選ぶ。」
私はこの島が好きでこの島だけの味方なのだから…
死んで行った皆もそうだった。
そのために命を賭して戦ってきたんだから。
「負けたくない。私はこの島を守る。」
空を見上げ、拳を握って強く言い放ったルーナに、ディーターは笑みを零す。
「ふっ…そうだな。人間にとっての1番の原動力は、憎悪だからな。こればっかりはなんの感情も適わねぇよ。情でさえも…」
ディーターは口の中でガリっとキャンディーを噛み砕いた。
「そいやぁ、リヴァイはまだ敵国へいるのか?」
「うん、そうだよ。帰ってくる日は未定なの。」
「っ…それ…寂しくねぇか?」
ルーナの薬指に光るそれを見つめながらキャンディーを飲み込む。
「んー…まぁ寂しいけど…なんてゆーか、もう慣れた。今までだって独りで残されることいっぱいあったし。」
笑って言うルーナを見ながら、なんて強い女なんだと思う。
初めて地下で出会ったあの日から…この女は俺なんかより凄まじく強いと…
そう感じてきた。