Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
ここパラディ島の上層部が、ジークの獣の巨人を他の人間に継承させようとしていることを、調査兵団の中で唯一ルーナだけが知っていたのもディーターのおかげだ。
「なんか、そろそろやべぇことになってきてねぇか?」
ディーターは煙草の火を揉み消しながら言った。
「うん、そうみたい。イェレナとジークの真の目的は安楽死計画らしいし。」
「は?なんだそりゃ…」
ルーナは、先日レストランでした会話をディーターに伝えた。
ディーターは驚きを隠せないといった表情のまま頭をかいた。
「ルーナちゃんはそれを承諾したのか?!」
「うん、初めはね。でもね…実は…」
そこでルーナがした話に更にディーターは驚愕の表情になる。
「なんだって…世界を?滅ぼす?…って」
「このことは、エレンとフロックという私の部下と、それとここにいる私たちしか知らないと思う。…あなたは信用おけるから今話した。」
「そ、そりゃ俺はあんただけの腹心だから信用してもらっていいが…うーん…なるほどなぁ…世界を滅ぼすとは、これまたえらくデケェスケールになったもんだ。」
ルーナは頷きながら夜空を見上げる。
ディーターは唸りながら腕を組んで夜空を見上げる。
満天の星が瞬くように2人を照らし、美しい三日月がまるで絵画のような情景を夜空に作っている。
「複雑だ…。複雑すぎる。」
ふとディーターが呟いた。
まさにその通りだとルーナも頷いた。
「イェレナとジークは安楽死計画、エレンはこの島以外の世界を滅ぼす計画、兵政権はジークの力を奪って島の安全を確保する計画…」
「うん…」
言葉数の少ないルーナに目を向ける。
「なぁ、それで?ルーナちゃんの考えは今んとこエレン派だってのか?」
ルーナはゆっくりと上に向けていた顔を下ろし、ディーターに視線を戻した。
月に照らされゆらゆら揺れるどこか妖艶な瞳に見つめられ、ディーターはゾクリと鳥肌がたつ。
「うん…私は…」