Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
終わってからも、ルーナに指導を付けてほしいと集ってくる兵士たちは、結局今夜も多かった。
全てのことを終わらせて、風呂へ入り、目的の場所まで馬を走らせ着いた頃にはもう23時を回っていた。
この時間には誰もいないはずの街のとある噴水の前。
そこにはもう1つの人影が腰を下ろし煙草をふかしていた。
「ごめーん!遅くなっちゃって。」
「いや、いいよ。今夜は月も星も綺麗だ。地下では見られなかったんだ。たまにはこうして独り夜空を見上げるのも悪くねぇ。」
「ふっ…ディーターそんなにロマンチストだったっけ?」
「なっ!俺は元々ロマンのある男だぞ!」
2人してケラケラと笑った。
そしてディーターは昼間ルーナに渡されたキャンディーを口に含んだ。
あの日地下街でルーナをずっと案内してくれていた男、ディーターは、あの3人の子供と同じく今では地上で暮らしている。
主に憲兵や上層部の馬車の御者をし、聞いた話や噂を、こうして密かにルーナに流しているのだ。
"ディーターよかったらいつかあなたも…地上へ出てみない?"
"…あんたと悪魔ってのをやりゃいいのか?"
"そうよ"
"あんたとだったら天使にでも悪魔にでもなれる気がするな…"
あの時のこの会話通り、2人の中に今では切っても切れない絆が強固になっていっていた。
「そういえばアリーさんは元気?最近あまり会えてなくて。」
「ああ、変わらず良い女だぞ。リンクも良い男になってきてるしな。」
ルーナは安心したように笑った。
娼婦でもあり情報屋でもあるアリーとディーターはよく接触し情報交換をしているようだ。
引き合わせたのはルーナだが、
きっとディーターは、アリーさんに惚れているだろうと密かに思っている。