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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第51章 生き方


帰りの馬車に乗り込むとき、ナイルはここに来た時よりも少しだけ力を抜いたような表情で向き直った。

「ありがとう、ルーナ。やはり君にはエルヴィンの亡霊でもとりついてるのかな…」

「ふ…私はただ、悪魔を受け継いだだけですよ。でもその悪魔は、皆の仇をとり世界を救うための悪魔です。」

あいつのように、意味深なことを言うんだな…
そう思いながらルーナの肩に手を置く。

「あいつも君のそんな逞しい姿にきっと喜んでいるだろうな。俺もいつかあいつと再会した時に顔向けできるよう努力するよ。それから…リヴァイにもよろしくな。君も寂しさに耐えきれなくなった時、うちに来て子供たちと遊んでやってくれよ」

恐らくそんな暇はないだろうと思いながらも、なにか労いの言葉でも紡ぎたくてそう言ってしまった。
しかしルーナは笑顔で頷いてくれた。


「あっ、そうだこれ。…よかったらお子さんにどうぞ。」

そう言ってルーナは美しい色紙に包まれたキャンディーを渡してきた。
透明のラッピング袋に入っていて10個くらいある。

「こんなにいいのか?」

「はい。私の支援しているマーレ人たちが働いているキャンディー屋さんがあって。そこでたくさん購入したので。」

「あぁ、そういえば君は、マーレ捕虜の労働環境を整えることを自ら進んで尽力しているらしいな。そんな多忙で大丈夫か?」

それでなくても兵舎で訓練指導や執務仕事などあるはずなのに…
仕事熱心な所もエルヴィンそっくりだと心底思って苦い顔をした。

「大丈夫ですよ!なにしろ私はアッカーマンなので。」

「…ははは、そうだったな。」

冗談のようでいて冗談でないようなこのセリフには心の底から笑ってしまった。
そして今日ルーナと話せて本当に良かったと思った。
欲しかった答えは貰えなかったが、凝り固まった自分の思考を充分に手助けするものだった。

「君と久しぶりに話せて楽しかったよ。それから大丈夫だとは思うが、あのことは…くれぐれも内密に頼む。」

「心配ご無用です。」

キッパリと言うルーナ。

やはり君のことはエルヴィン同様とても信頼できる存在だ。
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