Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
「たとえば、私とリヴァイももうとっくに覚悟を決めています。お互いの命よりも、守るべきものを守ると。こうして互いに離れ離れの場所で命を賭けている状況なんて、今に始まったことではありません。今までだって何度もあった。」
しかし、これは別に私たちが特別なわけではなく、他の調査兵たちも同じだとルーナは付け加えた。
そして冷静沈着な態度のまま紅茶を啜る。
その一挙一動をナイルは目を見開いて見つめた。
同じ兵士であるはずなのに、ここまで生き方が違う。
覚悟の程も、考え方も、何もかもが違う。
エルヴィンに、どうかしてるよと言ってしまった自分の方が、どうかしていると思えてきてしまった。
「君は…そこまで…」
「つまり私は、私自身が信じているものを信じているのです。そんな自分を、信じているのです。」
俺は…自分も周りも大切な人でさえも、信じられていない。
そのことにナイルははじめて気付かされた。
「私たちは歴史が変わる瞬間に立ち合っているんです。ナイルさんあなたは何を選び、誰を信じますか?」
"今この小さな世界が変わろうとしている。希望か、絶望か。選ぶのは誰だ?誰が選ぶ?お前は誰を信じる?
この瞬間、目の前にいるルーナが完全にエルヴィンの姿と被って見えた。
「エル…ヴィン…」
その震えた呟きは、外から聞こえる兵士たちの闘志を燃やす声に掻き消された。