Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
「ナイルさん、突然どうしたんですか?」
憲兵師団長ナイル・ドーク。
彼が突然会いに来たのでルーナは訓練指導をバリスに委ね、自室で茶を差し入れた。
「紅茶でいいですか?」
「あぁ、ありがとう。エルヴィンの墓参りをしてきたところなんだ。だからついでに…なんとなく君に会いに来た」
「なんとなく会いたくなるような人ですかね、私は。」
ふふっと笑いながら向かいのソファーに腰を下ろし、紅茶を啜るルーナを見つめる。
いつ見ても、あいつと雰囲気が同じだな…
パチリと目が合う。
「君の目は本当に、あいつと同じ炎を宿しているように見えるよ。」
「エルヴィンのことですか?まぁ兄みたいな、父親みたいな、そんな存在でしたから。ずっと長いこと一緒にいたから似てきちゃったのかなぁ…はは…」
先程の訓練中に見たルーナとは別人のような笑み。
ここまでオンオフを切り替えられるところもあいつに似ている…
そしてこの表情や仕草にはなんとも癒される。
あいつが随分可愛がっていたのも頷けるな…
それからあの人類最強の男も…
ナイルは返事をするようにフッと笑って紅茶を啜る。
「そういえばナイルさん。マリーさんとの3人目のお子さん、結局私はまだ見られずに何年も経ってしまってとても今更なんですけど…おめでとうございます。」
そう言ってまた紅茶を啜るその手に光るものを見てナイルは柔らかい表情で言った。
「いや、こちらだって君らの結婚祝いを何もできていなかったわけだし…」
「そんなのはいいんですよ!お子さんはかわいいですか?」
「あ、ああ。まあな。もう3歳になる。」
「へぇ〜きっと癒されるんだろうなぁ…」
その言葉には、少し複雑な気分になる。
本当は君らと同じように、家族を作れるような立場じゃなかったはずだ。
俺はもともとエルヴィンと訓練兵時代、調査兵団を志していた。
だが、行きつけの酒場の女に恋をし、一人の女性を守る道を選んだ。
俺はエルヴィンたちを裏切り、憲兵団に入って内地で今日までぬけぬけと生きのびた。
だが、後悔はしてない。
家族を作ったことが、俺の誇りだ。
そうエルヴィンに言った時、あいつは…