Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
「アズマビトの奴…こんな広い部屋いらねぇってのに…」
広い部屋だと尚更空虚感が増す。
ルーナがいれば極上この上ないのだが、独りだとあまりにも残酷なだけ。
お前を知っちまってから、どうやら孤独が嫌いになったみてぇだ。
だが同時に気付かされたこともある。
独りで感じる孤独よりか、お前といても感じる孤独の方が辛いと。
おもむろに窓を開けてみる。
…暗い。
星も月も出ていない。
そこには闇が広がっているだけで、どこを見ていいのかすら分からなくなった。
自分がいることすら分からなくなるほどの
無音と闇。
地下街にいたときも、
英雄呼ばわりされるようになってからも
それは変わらない。
どこにいても同じだと思っていた。
薄汚い地下街にいても
奇怪な巨人の死骸の上にいても
部屋のベッドの上にいても
ただの闇。
だったはずなのに…
お前という光に出会ってから
俺は…
暗い闇なだけの空を見上げてみた。
なにもないはずなのに、なぜかルーナの笑顔が鮮明に蘇って来る気がした。
あいつは今何をしているだろう?
ちゃんと眠れているんだろうか?
まさか朝まで掃除とかしてねぇよな?
それか、俺と同じようにこの闇を眺めてるのか?
別れる時握ったルーナの左手の温もりがまだ残っている気がして、拳を握った。
なのに不安と恐怖に似たこの感情はなんだろう。
光のないこの闇のどこかに、
まだ見えない素晴らしい未来があるのだろうか…
ふとそんなことを考える。
俺らが生まれる前、本当に双子で、ずっと魂が一つだったと言われたあの日から
1度もそれを否定しなかったのには実は1番の理由がある。
離れると辛いとか、あいつが傷つくと自分も傷ついて、俺の一部まで抉られたかのような感覚と共に息ができなくなるとか、そういうんじゃない。
俺らは別々に生まれたからこそ、自分を不完全と感じてしまうんじゃないか?
俺らは不完全なんだ。
だから俺たちは互いに探しあってた。
たまに自分を見失って、行き詰まって、それでも這いずり回って、そしてようやく見つけて出会うことができたのだとしたら…
この先俺らにどんな結末が待っていようと、それは運命と名付ける他ないのか?
いくら誓っていても、避けたい未来はたくさんある。
だから運命とか宿命とか言われると、目を背けたくなる。