Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
窓を開けてみると、真っ暗だった。
本当に黒一色で、無音。
どんな色をも塗りつぶす魔性の色。
星も月も出ていないからだ。
一気に不安に似た恐怖の感情が押寄せる。
闇はここまで人を支配するのかと思えるほどに。
リヴァイも今、同じ空を見上げているかな?
独りの夜はなぜこんなにも寂しく辛いのだろう。
会えないこの長い長い時間を、
どれくらいまた埋められるかな。
リヴァイ、あなたにはちゃんと夢を見せたい。
終わらなくて、消えない。
そういう夢を見てほしい。
だからあなたに相談無しにした私の決断を許してね。
「リヴァイ…」
暗闇に向かって呼んでしまった。
自分の中に、あなたがいることを確かめたくて。
私たちは生まれるずっと前、ひとつの命を分け合って生きていたんだよね。
だって、こうして体が離れていても、心は感じる。
あなたがすぐ側にいるような気がする…
不思議だね。
楽しい時は誰とでも分かち合えるのに、辛かったり悲しかったりする瞬間は、そうそう他の誰かなんかじゃ埋められない。
一体もうどれくらいの時間を共に過ごしてきたんだろう。
いろんなことがあった。
同じ幸せを願いながら、同じ傷を心に刻んで。
それでも何度も引き合って、共に生きてきた。
昔、出会ったばかりの頃、
初めてあなたと屋上で月を見た日…
初めて私のことを話した日。
初めてあなたに抱きしめられた日。
手を伸ばせば届きそうな満月。
あの時は涙は出なかったけど、泣きそうだった。
綺麗すぎて苦しかったからかな。
過ぎてく過去は、全て自分の通り道。
この闇の空に、何か永遠と呼べるものが見守ってくれてるのかな…
見えない月…見えない星…
遠くにいるあなたのところまで祈りが届くように呟く。
「ね、リヴァイ…
早く帰ってきて…」
じゃないとまた朝が来ちゃう。
あなたがいないだけで、いつもの朝がただの四角い恐ろしい灰色にしか見えないんだよ。
まるで落ちてきそうなくらい恐ろしいもの…