Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
「怪我、治ったんだね、よかった…」
眉を下げ、安堵したように言うルーナに、クラムはみるみる表情をゆがめ、突然頭を下げた。
「ルーナさん…すみませんでした!許されないことをしたのはわかっています。許さなくていいのでどうか罪を償わせてください!」
「かっ顔を上げてクラム…」
フロックは隣で目を丸くしている。
もちろん全く何も知らないのだから当然の反応だ。
自分は外した方がいいだろうか?とも思ったが、ルーナを1人残していくのも気が引けると思い、口を噤んでいることに決めた。
「俺、ルーナさんとリヴァイ兵長が送ってくださった手紙に助けられました。あれがなかったら俺は今頃死んでました…」
そういえば送った。
そしてあれはきっと、最後の"情"だった。
ルーナの手紙には、情としても、あなたを本気で救いたかったのだと言うことが書いてあり、
リヴァイの手紙には、お前のことは許せねぇが、お前がきっかけでルーナの何かが吹っ切れたのも事実だ。だから命だけは助けてやる…云々という少々物騒な内容が書かれていた。
確かにあの事件がきっかけで、ルーナは涙を流せるようになったのだ。
そんな、自分を救ってくれる言葉の一つ一つに、あの頃廃人のようになっていたクラムは間違いなく救われたらしい。
「俺…カイルたちの仇をとりたいのに…自分のした過ちで、もう戦えないので…何か出来ることはありませんか?贖罪もかねて、せめて囮としてでも…」
そう言ってクラムは自分の腹に手を当て俯いた。
「馬鹿な事を言わないで」
無機質で冷気のようなルーナの声が響いた。