Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
しばらく目を瞑り考え込む。
なんだか昨夜から頭がパンクしそうだ…
でも…これなら…全て叶う。
私とリヴァイの夢も、エルヴィンの夢も。
きっと…
それに私は世界を恨んでいる。
もうずっと昔から。
フロックはそんなルーナを見て静かに呟くように言った。
「俺は…エレンに従いたいと思ってます。ただ俺はルーナさんについて行きたいとも思ってる。だからもしルーナさんが違う意見なら、俺ももう一度じっくり考えようかと…」
「いいえ、その必要は無い」
突然顔を上げ、強く言い放つ。
驚いた顔をしているフロックにニコリと笑う。
「フロック、あなたは自分の思う通りに生きるべき。私の顔色を伺う必要はないよ」
「ち、違います。そういうことじゃ」
「まさか迷っているの?」
「…え?」
フロックの額に冷や汗が流れる。
ルーナの熱の籠らない冷たい瞳が不気味だと思ってしまった。
「あの時、私の前でハッキリ言ってたじゃない。なぜ今更になって迷っているの?迷っているからこうして私に答えを求めているんでしょう?…」
"俺もあなたと同じように、全てを投げ打ってでも勝利することです。俺らエルディア人の勝利。それを脅かす奴ら全員への報復。敵を駆逐すること…"
そう言った。
確かに自分はあの時。
「あなたの覚悟の程はそんなものなの?
あの時、あなたは何を見たの?何を感じたの?どのくらいの苦しみだったの?どのくらいの悲しみだった?悔しさだった?怒りだった?」
フロックの目が見開かれていき、体が小刻みに震えだす。
吐き気を催しそうになるほどのあの光景が蘇る。
「それは誰のせいなの?あなたのせい?エルヴィンのせい?リヴァイ?ハンジ?仲間?私?」
その瞬間、フロックの目の色が変わった。
今まで纏っていたオーラまでもが変わったように空気が揺れた。
「…世界…」
それはルーナにしか聞こえない、低く掠れた声。
"敵は世界だということ、これはもう分かりきったこと。だから私たちはやり遂げなければならない。非情な決断も躊躇してはならない"
いつかルーナに言われた言葉が反芻される。