Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
翌日、ルーナはフロックと共に兵士たちの墓参りに来ていた。
昨夜、兵舎に帰った時にフロックが神妙な面持ちで言ってきたのだ。
どうしても話したいことがあると。
今夜はもう遅いので明日でいいと言われ、2人きりになる口実に墓参りに来た。
ルーナはたまにここへ来て掃除や手入れをしているが多忙なためそれも久々で、フロックもかなり久しぶりのようだった。
思い出したくないことがたくさんあるのだろう。
ずっと表情を固くしていて無言だ。
順番に墓に花を置いていくルーナの後ろをただついて歩く。
エルヴィンの墓に到着した。
ルーナはいつものように跪き、目を瞑る。
心の中で、手紙を読んだことを知らせそして礼を言う。
エルヴィン、もしあなたが健在だったら…
今の状況を喜んでくれたかな?
"夢を諦めて死んでくれと言ったのは俺だ"
ふいに、リヴァイの言っていた言葉が脳裏を掠めた。
別にリヴァイのことは責めようと思わない。
誰もなにも言える立場じゃない。
私なんか、その場にすらいなかったのだから…
でも…たまに考えてしまう。
あなたと夢を叶えられていたら、どれだけ幸せだっただろうと…
"未来とは予測するものではなく自分で可能にするものだ"
"この世は素晴らしい。そして戦う価値がある"
そうだよね、エルヴィン。
私がどうにかする。安楽死計画にならないように。
だって来世であなたに子供と遊ばせる夢、叶えたい。
ルーナが微笑んで立ち上がると、ついにフロックが声を出した。
「ルーナさん、昨日の話です。聞いてください…」
「うん。聞くよ。」
フロックは苦い顔で視線を下に向けていたが、意を決したように顔を上げた。
「エレンは…イェレナたちの安楽死計画には従うつもりはありません」
「…は…?」
言っている意味が分からず一生懸命思考を巡らせる。
続けて、フロックとエレンの会話の内容を聞き、目を見開いて固まってしまった。
"オレはジークの計画に従う…フリをする。お前もそうしろフロック"
"…従うフリをして何をするんだ?憲兵団はお前を巨人にして島に来たジークを食わせる計画を進めてる。憲兵と争うかここから逃げるかしか手は無い"
そしてエレンは答えた。
"世界を滅ぼす。全ての敵をこの世から、一匹残らず駆逐する"