Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
「仕方の無いことですが、あなた方は世界を知らない。このまま結論を先送りにする日々を続けていけば、エルディアは手遅れになる。その危機感を覚えていたのはエレンも同じでした。私たちが問題解決に向け想いを共にするまでそう時間はかからなかった」
まさか…
ルーナは気がついた。
「だからエレンをマーレへ潜伏させようと…」
「そんなことは言ってません。ただ…兵政権にはっぱをかける必要があるとは申しました。」
もしかしたら…ハンジやリヴァイたちと今マーレへ潜伏しているエレンは…戻ってこないかもしれない?
ルーナは生唾を飲み込んだ。
「ルーナさん、今ここにいる我々は、歴史が変わる瞬間に立ち会っているのです。2人の兄弟によって世界は生まれ変わります。私はそれを彼らの近くで見ていたいだけなのです。あなたもそうではありませんか?」
壁内も壁外も、世界が平和になる…
その瞬間は、ずっと待ち望んでいたことだった。
「私の行動の全ては、エルディアを思っての事です。」
イェレナの目は、まさに神を見るかのように輝いている。
「安楽死計画のことは…他の誰にも?」
「はい。この偉大なる改革は、あの二人の兄弟と、それと今ここにいる私たちしか知りません。」
隣を見ると、真剣な顔をしたフロックと目が合い、ルーナは冷淡な表情でこくりと頷いた。
平和は私たちがずっと望んでいたこと…
これで世界中が平和になれるなら、
もちろんいいことかもしれない。
けれど…今はこの場に合わせよう。