Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
ルーナはその日、イェレナに誘われてフロックと共にニコロの料理店へ来ていた。
「ルーナさん、とても美しいですね。お似合いです」
ニッコリと笑って言うイェレナの言葉に少し頬を赤らめる。
「ありがとう…イェレナさんにディナーに誘ってもらえるなんて思いもしなかったから何を着てきたらいいのか分からなくて…」
ルーナが着ているワンピースは、昔アリーに仕立ててもらったものだ。
初めてリヴァイとラベンダー畑に行った時に着た白いシフォン生地のワンピース。
隣に座るフロックも見惚れている。
ニコロの素晴らしい料理を頬張りながらも、なぜフロックと2人だけここへ招待されたのか疑問に感じ、持っていたフォークを置いてイェレナを真剣に見つめた。
「あの、イェレナさん。なにかお話でも?」
イェレナは水を1口飲むと、無表情とも言える玲瓏な瞳を向け静かに口を開いた。
「信頼しているルーナさんに、お話しておきたいことがあります。先日私は、エレンにあることを伝えました。」
フロックは黙って視線を落としている。
丸いテーブルを囲むように座っている3人に暫しの沈黙が流れる。
「結論から申し上げます。世界とエルディア双方を救う術は安楽死計画。これを完遂する他ありません。」
ルーナは一瞬何を言っているのか分からずに目を見開いたまま押し黙る。
「ルーナさんなら分かってくださると思うのですが。それと、フロック、あなたも。」
「イェレナさん…エレンと密会を?いつの間に…?」
元マーレ兵である義勇兵とエレンを会わせることは禁止されていたはず…
「ここにいるフロックの力を借りました。ほかの義勇兵は私が密会したことを知りません。」
なるほどと思ってため息を吐きながらフロックを見ると、フロックはルーナに黙っていたことを詫びた。