Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
するとフロックはヴィムたちにルシファーの口を開かせるよう指示し、開かれた口からトカゲをつまみ出す。
まだ生きているそのトカゲを皆が黙って見つめる。
「生きてるな。どうするのこれ?」
レオンが聞くと、フロックはゆっくりと地面に置いた。
「えっ、食べさせてやらないの?」
「せっかくルシファーが捕まえたのに?」
ロジーネたちの声と同時にトカゲはするすると這ってどこかへ逃げていった。
フロックはその様子を見送ったあと、はぁと短いため息を吐いてから皆に向き直る。
「トカゲが尻尾を切るのにどれだけ痛みを伴うのか、切られた尾が本当にまた生えてくるのか、考えたことあるか?」
その言葉に、皆真剣な顔になる。
先に口を開いたのはルーナだった。
「なるほどね。リスクを負っても生きようとする姿はまるで…私たちみたい…」
トカゲが自分たち調査兵団と被って見えることがあるとは今まで思いもしなかったが、生きるためのリスクを負っているのは同じだ。
トカゲが尻尾を切られても生き延びようとするように、私たちも何度傷つけられても、仲間が次々に抉られても、それでも戦い生きることをやめない。
諦めないその姿勢は、まさにトカゲのようだ。
「助けたトカゲが俺たちなら、ルシファーは巨人や敵…だな。」
ブルーノのつぶやきに、皆が頷いた。
ルシファーのグリーンの瞳が鋭く細まる。
これを境に、このメンバーはとても親しくなった。