Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第50章 トカゲ
バアンッ!!
バアンッ!!
「すげぇぇ…圧倒的だ…」
「やっぱ、やっべぇな…」
「格が違う…」
射撃演習場。
ルーナの見事な射撃術に、皆耳を塞ぎながら息を飲む。
「みんな、照準や射撃姿勢、肩づけにばかり偏ってしまっていて、呼吸の大切さを疎かにしてる。呼吸がうまくできていないと、酸素不足によって照準が困難になるし、変に震えて当たらない。それから…」
バアンッ!!
バアンッ!!
また数度打ち込み、それは遠くの的にしっかりと命中した。
「銃の反動や音にビビッて、委縮して目をつぶったり、筋肉をギュッとこわばらせたりして撃つと、まず当たらない。そこんとこ、しっかり意識して訓練して。」
「は!!」
皆が各々散っていき、その手本に習ってまた訓練を開始していく。
ルーナは、いつも一際真剣なエレンに声をかけた。
「あ、ルーナさん…」
「お疲れ様。腕を上げたねエレン。」
「いえ…まだまだです。力を入れているから銃の反動はコントロールできてると思うんですが…なかなか思うように当たらなくて。」
冷たい表情で呟くエレンを指導していく。
「力を入れていると、それだけ疲れて酸素を消耗し、狙いもぶれるものなの。保持はがっしりと肩にはまっていれば力を入れていようがいまいが銃の反動で狙いがぶれるという事はない。」
「えっ…」
ルーナはエレンの銃を取ると、狙いを定めて一発放った。
全くぶれないその様子を目を丸くしてエレンは見つめる。
「…今はいかに脱力するかに力を入れたの。
力を使わずリラックスしているという事は、酸素も消耗していないから狙いはぶれないし、長時間でも安定して狙い続けることができる。」
ルーナは再度エレンに銃を渡した。
エレンは深呼吸し、言われた通りに集中して狙いを定める。
バアンッ!
「わ…当たった…」
エレンは嬉しそうにルーナを見上げた。