Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
「見てみろルーナ、満月だ」
リヴァイが窓の外を見ながら言うと、ルーナはよろりと立ち上がり、リヴァイの背後から覗いた。
そしてこの素晴らしい光景に目を見開く。
その瞳には目いっぱいに燃えるような光が映り込む。
「…ホントだ……綺麗…」
リヴァイは振り向いてルーナを窓際に立たせ、後ろからその体を抱き締めた。
煌々とした凄まじい光が2人を照らし、瞬く満天の星が煌めきを帯びてその姿を揺らす。
「お前みてぇだな…」
「え…?」
"ルーナという女神はね、輝く黄金の冠をしていて、額に月をつけているんだ。裾の長いドレスを纏っていて、背中に翼を持つ、絶世の美女なんだって!ルーナの姉ちゃんもきっとそんな感じかな?"
リンクの言葉が脳裏にチラついた。
「お前は月だ…」
煌々と輝きながらも、遠い星たちとは一線を画して耀く月。
夜空に浮かび、何も言わずただ地上にある物全てを静かに見つめる…
月の光は太陽の反射。
自らの炎で輝くのではない。
反射する光。
リヴァイがふいにルーナから腕を剥がし、隣に行って頬を包む。
自分を見上げる潤んだ瞳…月の光で揺れているそれをジッと見つめて眩しそうに目を細める。
「リヴァイ…?」
「お前の目も…月みてぇだな…」
まだ先程の涙が溜まっていたのか、零れ落ちた雫を指で拭う。
そして一瞬たりとも目を離さずに…
「ギラギラして…俺をとことん酔わせて…」
自由の光に照らされて、闇に、夜に、1番輝く月。
暗闇に隠れて紛れても、朝日が昇ろうと…
俺を照らして全てをさらけ出させる…
「俺を惑わせて、溺れされて、翻弄して、離さない…」
清く、妖しく、美しい…
お前は…
「月だ。お前は俺を照らす光だ…」
リヴァイの眉を下げた何かに耐えるような、そんな美しく儚い表情がルーナの瞳に映った。