Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
…エルヴィン
・・・
声が出なかった。
代わりに出てきたのは目から溢れ出る雫。
それが涙だと分かったのは何十分も後の事だった。
エルヴィンを亡くしてから、涙なんて1度も出なかったというのに…
「…っ…う…っく…」
苦しいよ、エルヴィン。
ばか……
嗚咽と共に急き立てるように溢れ出てくる涙を抑えられない。
すっかり暗く何も見えなくなった部屋に、ロウソクを灯す。
するとそこは一気に明るくなった。
"たった1本のロウソクがどんなに暗闇を否定しその意味を定義することができるのかを見てほしい"
明るい。
全部見えるよ…
2つのティーカップも、2人の絵も、水晶も、掛けてあるあなたのマントも…全部…
紡いできた幸せな空間が見える…
光はどんな闇をも凌駕する。
でも1人だ。
あなたの姿は見えないよ、エルヴィン。
あなたは今どこなの…
こんな私のことを見ていてくれてるの…
気が付くと、ルーナは声を上げて泣いていた。
何年も、出したくても出せなかった涙。
受け入れようとしても受け入れられなかった事実。
それが涙に変わったかのように…
大量に噴き出されていく。
私は…私は…
今…幸せなんだ。
"もう1つ夢ができたぞ。君の子供と無邪気に遊んでみたい。どうだ、いい夢だろう?"
エルヴィン、それはいつか必ず…
約束する。