Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
ルーナ、君がこの手紙を読む頃、君はどんな状況で、何を思っているのだろうね。
君のことだからきっとこの手紙を見つけてすぐには開かなかったのではないか?
…当たりかな?それともいつまでもどこかでホコリを被ったまま忘れ去られたかな…いや、それ以前に見つけてすらもらえなかったか…まぁそれでもいいさ。
けれどもし君がこれを読んでくれているのなら、まずは礼を言わせてほしい。
今まで長年、俺と共に歩んできてくれてありがとう。
君がいなければ、確実に俺はここまで生きられなかった。
君との夢を叶えたくて…どうやら俺は深淵を深くまで覗き込み過ぎたようだ。
俺には善悪がわからなくなっていた。もうとっくに。
悪を倒すつもりで戦っていたら、いつの間にか自分が悪になっていた。
しかし、悪を倒すためには自らも悪を知るため悪にならなくてはならない。
そこに、本当に善悪はあるのか?それは自分のエゴではないのか?
本当は戦う必要性さえないのではないか?
そう考えてしまっていたこともある。
死んだ方が楽なように見えると言われたこともあるよ。
しかし、君を見る度にいつも思い立たせることができた。
この世は素晴らしく、そして戦う価値のあるものなのだと。
今の君は、どうかな。
どこまで深いところまで来ている?
君の周りは今、闇か?光か?
人は運命に囚われているのではない。いつだって自分の心に囚われているんだ。
そして俺には1つ分かったことがある。
未来とは、予測するものではなく自分で可能にするものだということだ。
ルーナ、君が今どんな状況で何を感じていようと、自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。
そして君の周りが今、闇だったとしたら…たった1本のロウソクがどんなに暗闇を否定し、その意味を定義することができるのかを見てほしい。
君の幸せを祈っている。
もしも来世でまた出会えたら、今度こそ君の子供と無邪気に遊ばせてくれよ。
エルヴィン・スミス