Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
そろそろ、アレを…読める頃、いや、
読むべき時かもしれない…
ルーナはその夜、まだリヴァイが戻らない部屋で、本を取り出した。
エルヴィンの部屋で見つけた自分宛の手紙が挟まったままの本。
それを開く勇気がなくて、何年も封を開けずにいた。
けれど今日、リヴァイの話を聞いてから、その勇気を貰えた気がしたのだ。
"俺は死にたくねぇと思ってる。妻のために死にたくねぇと。そういつも思ってる。"
"俺にとっては、自分の命は大切だ。生きることは、何より大切だ。…なぜならそれは、妻のためでもあるからだ。"
"仮に、俺が死ぬことが、あいつの…エルヴィンの命令だったとしても…俺は絶対に従わなかっただろう。"
「…っだってさ、エルヴィン。でもリヴァイはきっと、そんな命令に従ったとしても、生き延びただろうね…」
ルーナはそう呟きながらベッドに腰かけ、震える手で手紙を取りだし、大きく深呼吸した。
遅くなってごめん…
心の中でそう呟いてから本を開く。
手紙を引き抜くと、そのページに書かれている文字が目に入る。
"怪物と闘う者は、その過程で自らも怪物とならぬよう心せよ。
お前が深淵を覗く時、深淵もお前を覗いているのだ"
封を切り、手紙をゆっくりと開く。
そこには達筆な文字が美しく並んでいた。