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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第49章 生死


「なにこれ…すげぇ…この絵は?」

目の前にある大きな絵画。
そうか、ここへ入るのは初めてだったか、とバリスは気付いた。

「この絵の中にいる者たちは、もうほぼいない。見てみれば分かるだろう?」

3人はまじまじと隅から隅まで見つめた。
リヴァイやルーナ、ハンジ、バリスがいたりするが、ほかの面々は見たことがない。

「このお方がハンジ団長の前の団長だった方だ。」

そう言ってバリスが指さした中央に描いてある人物は、金髪に凛々しい眉と大きな碧眼、筋肉が張り巡らされた大きな体躯。
絵の中だというのに思わずこちらが怯んでしまうほどの圧倒的存在感を放っている。

「この方はウォールマリア奪還作戦の際、兵士たちを地獄へ率いて自らの命も捧げた。」

「この人が悪魔と呼ばれていた人かぁ…」

その言葉に、バリスは口を噤む。


「そっか…確かにほぼ壊滅したと聞いたし、この人と共に皆死んで行ったのかぁ…」

ロジーネがルシファーを撫でながら言った。

「この絵の中にいる者たちすべての犠牲の上に、僕達は立っているんだ。お前ら3人も、まずはそのことを自覚してほしい。」

3人の大きな目がバリスに向く。

「捧げていった何百人もの魂に報いることが我々の使命なんだ。調査兵団とはそういう組織だ。先程お前らが刃向かっていたあの兵士たちも、皆それを分かっている。そしてこの先何があろうと自らも心臓を捧げると誓った、きちんとした覚悟を持った集団なんだ。」

眉を下げて俯いた3人に、バリスはまだ説教が足りないと思って続けた。

「その覚悟を、お前らも持っているか?」


すると、先に声を出したのはレオンだった。

「…俺たちは…ルーナに従ってる。ルーナの誘いで悪魔になると誓った。他の誰でもない。俺たちは…死にたくはない」

バリスは目を見開いた。
死にたくないのは誰でも同じだ。
だが兵士として、今ここだけでならまだしもその発言はタブーである。
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