Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
「バリスさん…」
兵士のつぶやきと共に、バリスはブルーノの手首を離す。
「なにをしているんだ君たちは。」
バリスの鋭い視線に皆怯みだす。
そしてそのまま視線を走らせたバリスが目を見張る。
拳を振り上げていたブルーノ以外の2人…レオンとロジーネはなんとナイフを握っているからだ。
「…それをしまいなさい。兵規違反で10日間懲罰房生活になるよ」
「ねぇ聞いてくれよバリス!こいつらがルシファーを盗もうと」
「なんだとお前ら!盗もうとしてるんじゃない!お前らの躾直しをすると言っているんだ!」
「バリスさんの事まで呼び捨てにするな!魔神の犬どもめ!」
「まぁ待て待て。ここで騒ぐな。ルシファーを置け、クレーメンス。」
バリスがなるべく和やかに諭すと、クレーメンスという兵士は苦い顔をしながらもルシファーを床に置いた。
すかさずロジーネが抱きかかえ、睨み上げる。
その態度にも、兵士たちはいきり立つばかりだ。
「バリスさん、あなたならお分かりですよね?こいつらの存在はあまりにも兵団の士気に関わる。どうにかするよう兵長夫妻に言ってください。連れてきたのはあの方々でしょう。」
バリスは短くため息を吐いた。
言いたいことはとてもよく分かるし、いずれこうなるだろうことは目に見えていた。
「あなたも夫妻の右腕なんだから、このガキ共の対処をするのも務めでしょう。迷惑なのは俺らだけじゃない!早いとこどうにかしてください」
そう言い捨ててクレーメンスたちは踵を返して行った。
周りにいた兵士たちも、よくやったとばかりに彼らの肩を叩いたり尊敬の眼差しを送っている。
バリスはその様子を一瞥したあと、3人とルシファーを談話室へと押し込んだ。