Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
何名かの兵士たちが意を決したように2人の止めに入る。
立体機動で飛び回りながらなんとか2人に声を上げる。
「もうそこまでにしてください!」
「さすがにもういいですって!」
リヴァイとルーナはそれに気付きながらも戦闘モードは切り替えない。
「てめぇらなんだ。危ねぇぞ!」
「みんなこそ怪我するよ!」
その時、ついに1人の兵士とルーナがぶつかり合い、ルーナは軌道がずれ急いで木に捕まる。
しかしその兵士は呻き声を上げながら下へ落下してしまった。
「ああっ!」
ルーナは瞬時に降り立ち兵士の上体を抱き上げる。
「大丈夫?…あ、腕を怪我してる」
即座に消毒液と包帯を取り出した。
ただのかすり傷のようだが血が出ている。
「く…大丈夫ですよルーナさん。このくらい…」
「ごめんね、ちょっとジッとしてて。」
リヴァイも降り立ち、苦い顔をして2人を見下ろす。
ルーナに治療をしてもらって明らかに顔を赤らめ嬉しそうにしている兵士に内心苛立ちを覚える。
「はっ!ルーナさんこそ指に血が!」
兵士に言われて初めて気がついた。
さっき急いで木にしがみついた時に切ってしまったのだろう。
「あー。これこそ全然大したことないよ」
ルーナは苦笑いしながら指を口に入れてしゃぶった。
その様子に周りの兵士たちが息を飲むのが分かり、リヴァイが舌打ちをする。
もう随分と前から分かっていた。
部下たちがルーナに向ける目は、ただの尊敬や敬愛では無いものが混ざっている者が多いことを。
「おいお前、立てるか?立てるな?」
「あ、はい!」
リヴァイに言われ我に返ったように瞬時に立ち上がる兵士に、ルーナは再度謝った。
「ごめんね本当に。でも、私たちの心配はしなくて大丈夫だよ?またこうして怪我をさせちゃったら元も子もないから」
「ああその通りだ。俺らの中に割って入るなんざ死にてぇも同然だ」
その言葉に周りの兵士たちは茫然となる。
そうしてしばらく落ち着いた訓練指導が終わり、各々解散していった。