Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
その日の夜は、たくさんの兵士たちがリヴァイとルーナ2人の凄まじいバトルを見せつけられることとなった。
お手本を見せてほしいと言われ、ルーナがリヴァイと模擬戦闘を繰り広げ始めたのだ。
指導を頼み込んだ兵士たち以外にもたくさんの人が集まってきていた。
「お…い…これはもう…お手本ではないんじゃないか?」
「あぁ…どう頑張ってもあんな動きができるとは思えない」
「お2人とも、あれは本気で殺し合ってないか?」
「相当負けず嫌いなんだなあの夫婦は…」
逆手でブレードを持ち、木々の間をすごい勢いでくぐり抜け、互いに四方八方から枝や丸太をダミーで投げつけたり、たまに大きめの石まで投げつけ合ったりしている。
追いかけっこや鬼ごっこのように、とにかく互いを仕留めようと必死になっているようにも見える。
が、動きがこの世のものとは思えないほど速すぎて目で追うのが非常に困難だ。
兵士たちは口をあんぐりと開けながらも一生懸命に目を凝らしている。
「おいおい、どうした。もっと本気で来いよ」
挑発的なリヴァイの言葉にルーナの全身に血が滾る。
ルーナが逆手で刃を切り付けながら差し迫る。
瞬時にリヴァイの刃とぶつかり合い、カチンと音が鳴り響く。
カチンッ
カチンッ
カチンッ
少し離れたかと思えば互いを追いかけ回し、その度にぶつかり合うブレードの音が耳を劈く。
兵士たちは顔面蒼白になりながら震え出していた。
いくら訓練とはいえ味方同士で刃を交えるなど正気の沙汰ではない。
しかしこれは信頼し合っている2人だからこそ成せることなのだろう。
目の前の2人の凄まじい気迫とその本気とも取れる攻撃モードにさすがにいてもたってもいられなくなって声を上げる兵士まで現れた。
「お2人とも!もう充分ですって!」
「ホントに危ないです!怪我しますよ!」
しかし完全に二人だけの世界に入っているように自分たちはこの空間から切り離されているように見える。
「うーー!リヴァイーー!!負けらんないっ」
「はっ。相変わらず威勢だけはいいな。褒めてやる」
カツンッ
カツンッ
「どっどちらかがどちらかを本当に殺しちゃったらどうするつもりなんだろう…」
「俺らの責任にもなってしまうんじゃないか…」
「とにかく止めないと!」
「でもあの中にどうやって割込めばいいんだ?」