Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
ここにいると、いろんなことを思い出す。
ナナバやミケやモブリット…シンや、あの4人…
とても楽しかった。
たまにはここで食べるのも、懐かしくていいと思ったのだが…
そう思いながら仕方なく2人同時に立ち上がろうとしたとき、親切な兵士たちに声をかけられる。
「あ、あのよかったら、お二人の食事をこちらへお持ちしましょうか?」
「…ああ、助かる。」
「ありがとう」
そうして運んできてもらった食事に手をつけながらルーナは静かに言った。
「ねぇ、リヴァイは…私のことも自分のことも信じてる?」
リヴァイの目が僅かに見開かれる。
「あ?なぜ突然そんなことを聞く?」
いきなり変な質問をしてしまったと思って目を逸らす。
まだルシファーと遊んでいる3人がいて少し微笑んでから言った。
「ごめん、なんでもない」
しかしリヴァイはそんなルーナを一瞥すると、いつもの無機質な声で答えた。
「俺は、お前のことを信じている自分を、信じてる。」
ルーナは一瞬ハッとしたような顔をしてから、視線を下に落とした。
「この先、どんなことがあっても?」
「あぁ」
即答するリヴァイをとても頼もしく思った。
きっと、リヴァイのことを信じている私のことを、信じてくれているのだろうと思った。
信じることと愛することは、やはりイコールなのではないか…?
愛してるから、信じられる。
信じているから、愛せる。
「あまり妙なことを言うな。心配になるだろ」
ふふっとルーナは笑った。
ルーナは昔からこういうところがある。
突然突拍子もないようなことを喋り出す。
その度に、不安になる。
そしてますます分からなくなる。
彼女が一体何を考えているのか。
そしてリヴァイには1つどうしても気にかかっていることがあった。
ルーナがあれから1度も涙を流していないことだ。
鍵付きの引き出しに入れてあるものが捨てられないのは、いつか最終手段として出番が来てしまうような気がしてならないから。
睡眠注射薬、精神安定剤、妙薬…
彼女が死ぬほど辛くなった時、もしかしたらどれか使うことになってしまうかもしれない。