Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
「ったく!今度は魔神の猫かよ…」
「魔神の犬ども…いくら許可されたからとはいえ食堂に獣を持ち込むなよな」
白い靴下付きの黒猫を抱えている3人に、兵士たちが苛立ったような視線を向ける。
食堂の隅で、3人は猫に食事を分けているようだ。
なんとも楽しそうなその光景に、自分たちの迷惑さながらの雰囲気は全く意に介していないとわかり、ますます陰口をたたく。
しかし、突然兵士たちが慌てたように口を噤んだ。
ルーナとリヴァイが同時に入ってきたからだった。
2人がここへ来ること、しかも2人揃ってというのは珍しすぎて場の空気が一気にヒヤリと冷たくなる。
普段は部下が部屋に食事を運び、2人はそれを仕事をしながら食べているからだ。
2人はつかつかと3人の元へ進んでいく。
その様子を周りの兵士たちは動きを止めて見つめている。
「よかったらこれをあげてみて。猫は海の幸が好きらしいよ」
ルーナが差し出した袋に入ったそれは、ニコロがくれた魚介のすり身だ。
兵舎に猫がいるのだと言ったら、ありがたいことに、たくさんくれたのだ。
「わ〜ありがとう〜!」
「お、すげえ食いっぷり!」
美味しそうな咀嚼音がルシファーから聞こえ、ルーナが満足そうに目を細める。
「お前、今日こんなもん食わされてきたのか…」
リヴァイは顔を顰めてルーナに言った。
「はは、違うよ、もっといろいろ凄いもの!リヴァイも今度食べさせてもらいなよ!どれも見たことも聞いたこともない料理でとても美味しかったよ!」
そういいつつ、リヴァイの腕を引っ張って3人の近くの席へ座った。
一気に周りに緊張感が走ったのがわかり、リヴァイはルーナを肘でつつく。
「おい、お前がいるせいでここにいる奴ら飯が喉を通らなくなってやがるぞ」
「え、いやそれはリヴァイがいるからじゃないの?」
実際は2人ともなのだが、どちらも互いが原因だと本気で思っている。