Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
「私が信じているもの…私にとっての…神…」
ルーナがテーブルに置いている手指に光るそれに視線を落としながらイェレナが言った。
「まぁ…確かに…信じると愛するは、違いますよね…」
え?
ルーナはイェレナに視線を送ると彼女は薄ら笑った。
「愛しているから信じているわけではないし、信じているから愛しているわけでもない。」
イェレナが自分の指輪を見つめていることに気がつく。
私はリヴァイのことを愛している。
これは間違いなく。
でも…信じてはいない、ということだろうか?
確かに、
「人は嘘をつくし、裏切るし、離れていったりもするものだもんね…それでも信じて何かを失っていったり、傷ついたり恨んだり人間不信になったり…」
信じたいのに信じられない。
裏切られるのが怖くて、自分が傷つくのが怖くて、悲しむのが怖くて…
「でも神は…絶対に裏切らないと思えるもの。そう信じ込めるもののことをいうんですよ。」
神は裏切らない。
だからイェレナさんはそこまで信じられるのか、
いや、だから神だと思えるのか。
「ルーナさんにとっての神もきっと見つかるはずです」
「…でも信じるって難しいよ。神とかもよく分からない…」
「さっきあなたはニコロのことを天才だと言いましたね。…自らの思想を信じること、心の中の自らの心理を信じること。それができている人が、まさしく天才だと思うんですよ」
自分を信じることができる人のことを言っているのだろうか?
神は100%信じることはできたとしても、
自分や相手を100%信じることはできない気がする。
「たとえどんなに才能に恵まれていても、自分を信じることが出来なければ実力を発揮できない。そういうことですよ。」
その言葉はルーナの心に暖かく響いた。
そして、この時からイェレナを見る目が変わった気がした。