Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
「すごいね…本当に美味しい…」
「よかったです!まだまだありますよ」
嬉しそうにガツガツと手が止まらない部下たちを前に、ルーナは複雑な心境になった。
あまりにも知らないことが多すぎる。
それを知っていくのはもちろん楽しいことなのだが、同時にこんなにも焦ってしまうのはなんなのだろうか。
焦り?いや違うかもしれない。
どちらかというと恐れの方が近いような気もする。
ふと隣を見ると、フロックも同じような表情をしていた。
しかし、これはとにかく美味しい。
「他のみんなにも食べさせてあげたいなぁ…そうだ、ニコロ、あなたはこの島で料理人として働いてみない?シーナの近くで開店させてみては…」
ルーナのその言葉に皆が賛同したように目を輝かせた。
「そうですよ!ニコロさん!あなたは天才なんですからそれはもう絶対にやるべきです!ルーナさんの意見に従いましょう!いや従ってください!」
サシャが食い散らかしながら捲し立て、ニコロは顔を赤くする。
「ルーナさん…ホントに…俺は…」
「ええ。どうやらあなたは天才らしいから。」
ルーナがニッコリと笑ってみせると、ニコロは目を輝かせた。
この料理、もっといろんな人に食べてもらいたい。
そして、知ってもらいたい。
私達がどれだけ遅れているのかということを。
なにより、焦ってほしい。
そして追いついていかなくてはならない。