Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
「ルーナさーん!!ルーナさーん!!」
そのとき突然遠くから自分を呼ぶ声が聞こえて瞬時に振り向く。
遠くの方で、コニーが手を振って呼んでいるのが見える。
テントを張って何かをしているようだ。
サシャやジャン、ミカサたちもいるように見える。
「行こうか」
「え、俺もですか?」
もちろんと言うようにルーナは微笑んだ。
そしてその先には、見たこともない料理が並んでいる。
それをサシャが狂ったように頬張っている。
「え…なに…これ…」
「ルーナさんも、海の幸は初めてですか?ニコロはマーレ料理の達人なんですよ」
そう言いながらイェレナが新たな料理をテーブルに置いた。
ニコロはサシャの食いっぷりに驚きつつも、照れを隠すように料理を作っている。
「ルーナさんも食ってみてくださいよ!めちゃめちゃうまいんす!」
「おお、お前もいたのかフロック、まぁ座れよ」
促されて、とりあえず椅子に腰かける。
イェレナに食器を渡され、ルーナは眉をひそめながらとりあえず目の前にある不気味な料理をいくつか皿に盛った。
「これは…なにかしら…」
ふとフロックを見ると、顔を険しくしながら何かを口に入れている。
毒味をさせるかのようにルーナはその様子を見守った。
「ん!……」
ゴクリと飲み込んだ音がしたかと思えば、フロックは目を丸くして固まっている。
やはり何かとんでもない未知の味がするのだろうか…?
ルーナが心配そうに背中をさすろうとした時、フロックが呟いた。
「うまい…です…」
「え。」
そう言われたら、食べてみたくなる。
ルーナは生唾を飲み込むと、恐る恐る目の前の何かをフォークに巻き付けて口に入れた。
「あ……美味しい…なんだろう、これは…」
「それは魚貝を使ったペスカトーレですよ。ちなみにこちらはムニエルで、これはアクアパッツァといいます」
イェレナの説明に目が点になる。
全く聞いたことの無い言葉な上に、味わったことのないものばかり。
しかし、おずおずと食べてみると、どれも本当に美味しかった。