Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第48章 才能
どんなに夢や希望を持っていても、幸福な人生を送ることができたとしても、岩で体を砕かれても同じだ。
人はいずれ死ぬ…
ならば人生には意味が無いのか?
そもそも生まれてきたことに意味はなかったのか?
死んだ仲間もそうなのか?
あの兵士たちも、無意味だったのか?
"いや違う!!
あの兵士たちに意味を与えるのは我々だ!
あの勇敢な死者を!哀れな死者を!
思うことができるのは生者である我々だ!
我々はここで死に、次の生者に意味を託す!
それこそ唯一この残酷な世界に抗う術なのだ!"
目を瞑ると、フロックの脳裏であの時のエルヴィンの叫びが呼び起こされた。
「あなたが誰よりも頑張っていることを私は知ってる。だからあなたの信念はきっと貫くことができる。」
「…ルーナさん……」
俺は…
エルヴィン団長のようになる。
人間性さえも捨て去ることを決心する。
彼のように悪魔になることを誓う。
「俺は…俺は…」
フロックの涙が引いていく。
代わりにその瞳には波の光に揺れる炎が宿り始めた。
「この島を守る。我々仲間たちの生存権だけを守る。たとえ世界が全て敵に回っても…それでいいんですよね?」
真剣な眼光がルーナに突き刺さる。
ルーナはそれをしっかりと捉えて言った。
「敵は世界だということ、これはもう分かりきったこと。だから私たちはやり遂げなければならない。非情な決断も躊躇してはならない。」
私はエルヴィンやナナバやミケやシンやあの子たち、部下たち、死んで行った皆に報いたい。
捧げていった心臓には意味があったんだって…
私たちが生き残るために捧げていった命なら、私たちがその意志を継いで生き続けなければならない。
だから…
「私たちは間違ってない。」
炎の揺らぐ2つの視線はこのときしっかりと交わった。