Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第47章 魔神の犬と猫■
「3人とも、とりあえずこの子を拾ってきたんだね?」
ルーナが一先ず3人の会話を遮った。
「そう!で、父さん母さんなら食料庫開けられるだろ?だから早いとここいつになんか食わせてやってくれよ」
「うん、わかったけど…その後はこの子をどうする?」
ルーナは眉をひそめてその猫を見た。
ロジーネに撫でられながら膝の上で丸くなり、大人しそうな黒猫だ。
「そりゃあ飼うしかないでしょ!!」
「え?」
「馬鹿野郎。ここはペットの飼育は許可してねぇ」
リヴァイがピシャリと言い捨てたが、3人は引き下がらない。
「でも別に禁止だってされてないだろ?」
「そうよ〜父さんのケチ!」
「いいじゃん〜!ねぇ母さんからも何か言ってやってよ!」
「俺らはてめぇらの親になった覚えはねぇぞ。とりあえず食いもんはやるが、その後はこいつを森の中へでも放してこい」
「「えええええーー!!!」」
「朝っぱらからピーピー喚くな、うるせぇガキ共め」
ルーナはどうしようかと考え込んでいた。
どう見ても成猫で、親と離れ離れになった子猫のようではない。
それに、このままどこかに離してもきっとまた餌を求めてここへ来るだろう。
随分と3人に懐いている様子だし…
すると突然、その猫はロジーネの腕からすり抜けると、なんとリヴァイに擦り寄って行った。
「っな…!」
毛がつくのを嫌がったのだろう。
足元にまとわりつく猫から逃げるようにリヴァイが立ち上がった瞬間、何かに気がついたように目を見開いた。
「どうしたの、リヴァイ?」
ルーナは訝しげにリヴァイと猫を交互に見た。
「こいつ…知っている…」
「「え?!」」
黒い毛色に、前足だけ靴下のように白いこの猫は…
あの日、食堂を荒らしていたとされていた、カイルの連れてきた猫…に似ている…
肉をやって、それから部下が外へ離したはずだが、どっか旅にでも出ていてここへ戻ってきたのだろうか…?
猫は、リヴァイに優しくされたことを覚えているのか気持ちよさそうにリヴァイに擦り寄っている。
リヴァイは猫をおもむろに抱えあげて観察するようにじっくりと眺めた。
「…間違いねぇ…こいつはあのときの…」
そう呟いて。