Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第47章 魔神の犬と猫■
元々身体能力の高い3人はルーナの献身的な指導によってみるみる成長していった。
そして今では彼女に忠誠を誓うようにすらなっている。
ルーナの言うことならどんなことでもきちんと聞き従う。
しかしルーナ以外の者が言うことには全く聞く耳を持たず、態度も大違いで、兵団内では3人は厳しい視線を浴びていた。
しかもルーナとリヴァイにも敬語すら使わない上に、"妙な呼び方"で呼んでいたりもする。
そしてすべての成績は周りを凌ぐほどのものだった。
まるで昔のリヴァイ、ファーラン、イザベルのように。
周りが3人を良く思わないのは、地下のゴロツキ上がりということもあるし、ルーナが贔屓していることが気に入らないというのもあれば、まだまだ理由はある。
確かにルーナの指導は厳しいが、誰もが彼女から目をかけてほしいのだ。
常に彼女にくっついて歩く3人は、悪魔の犬とも女神の犬とも言われていたが、そのどちらをも融合した言葉に落ち着いていた。
それは、 "魔神の犬"
ルーナのことを悪魔と言う者もいれば女神と言う者もいる。
しかしいつしかそれは魔神に変わっていた。
これは決して彼女を蔑む言葉ではなく、尊敬と畏敬の念、そして恐れと共に生まれた言葉だった。
兵団内では今、彼女の圧倒的な存在感はリヴァイのそれよりも上だった。
そしてルーナとリヴァイだけはなぜかいつどんなときも旧調査兵団の自由の翼のマントを羽織っている。
モスグリーンのそれは少し大きめで、しかしそれは今の戦闘用の黒い兵服の上から羽織るにはピッタリだった。
もちろん大きい理由はエルヴィンのものだからだ。
緑と黒のマッチングはまさしく悪魔のようにも映る。
フードを被っている時なんかはまさにそうだ。
妙な空気感や視線があっても、2人は決してそれを脱ごうとはしなかった。
いつしか2人は、
悪魔の夫婦だとか魔神の夫婦だとか最強の夫婦だとか言われていた。
何もかもが人並外れていて、全ての覚悟と意志を背負っているかのような強靭な気迫と態度の2人に対して、
恐らく誰も知らないあまりにも凄まじい過去を乗り越えてきた男女なのだろうと誰もが思っていた。