Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
その晩屋上へ着くと、リヴァイは先に来ていて遠くの月を眺めていた。
おまたせ、と隣に立ち2人は少し冷たい風に揺られた。
「今日も月が綺麗だね、よかった」
ルーナは呟いた。
「お前、どうしてあいつを庇った」
「え?あいつってエルヴィンのこと?」
「そうだ」
そう言い眉間に皺を寄せながら睨みつけてきた。
「さぁ...なんでかな...でもこういうのって今日だけじゃないよ?小さい頃、野犬に襲われた時も、私がエルヴィンの前に出て腕を噛まれた。ハハ...」
「笑い事じゃねぇ」
少し声を大きくしたリヴァイに一瞬ビクッとなり顔をのぞくと更に不機嫌そうに見つめるリヴァイの目がまっすぐルーナを見ていた。
「今回は俺がお前に傷をつけてしまったが、お前が誰かを庇って誰かに傷をつけられるようなことがあったら俺は正気じゃいられねぇ。」
「・・・」
ルーナは目を見開いたままポカンとした表情でリヴァイを見つめている。
「いや、違うな。単に俺はお前が傷つくのを見たくないんだ。庇うとかそういうんじゃなくてもな...」
「あ...ありがとう。でも兵士である以上、傷つくのは仕方ないことだよ。」
「・・・」
リヴァイは黙ってルーナから目を逸らした。
「それにね、リヴァイ。身体に傷はついても致命傷でない限りは命も助かるしほとんど治る。でも問題は心の傷だよ。こればっかりは薬は効かないし治りは遅いか、もしくは治らないで死に至る可能性もある。」
ルーナは月をボーッと見つめながら言葉を濁した。
リヴァイも同じ方向を見つめている。