Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
ルーナは逆にリヴァイの頬に手を這わせた。
互いに瞬き1つせず、一瞬たりとも目を離さずに見つめ合う。
月の明かりはその姿を、艶めかしくも神々しくも映す。
「クシェルさんもきっと…こんな美しい顔をしていたんでしょうね…」
その言葉に、リヴァイの親指の動きが止まった。
「すごく…綺麗な人だったって言ってた…」
「誰が」
リヴァイの見開いた目の中に、ルーナの切なげな笑みが映る。
「会ってみたかったなぁ…」
「おい…」
リヴァイはルーナを真剣に見つめると、話を聞けというように両頬を包んだ。
「誰に何を聞いたんだ」
そしてルーナがぽつりぽつり話すその説明に、リヴァイは言葉を失った。
あのときダミアンの言っていた娼館ってのは…
「クシェルさんはきっと私よりも全然強い人だった。リヴァイを産むことを選んだ人。…産んでくれてありがとうって伝えたかったな。」
ルーナは最後、静かにそう付け加えた。
リヴァイは複雑な思いから気を逸らすようにルーナを抱きしめた。
「お前…もう1人でどこかへ行こうとするな。行くなら必ず俺と一緒だ。いいな?」
ルーナは腕の中で小さく頷いたかと思えばポツリと言った。
「迷惑かけてごめんね…」
「…何度も言うが、迷惑なんて思っちゃいない」
「ううん。いつもリヴァイに迷惑ばかりかけてる。本当に私は弱くてグズグズで…でもこれからはもうそうならないように、ちゃんとするから…もう迷惑かけないから…」
リヴァイはため息を吐いてルーナを引き剥がした。
鋭い目つきで潤んだ瞳を見つめる。