Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
互いにバスローブに身を包み、隣同士でソファーに座る。
ルーナはリヴァイの淹れた紅茶をおずおずと持ち上げ、ゆっくりと啜った。
「ひとまず落ち着け」
そうは言ったものの、リヴァイは自分自身にも言い聞かせていた。
たった独りで随分長いこと悩ませ、
たった独りで非情な決断をさせてしまった。
どう考えても自分が悪い。
自分の冒したあやまち・・・
"あやまちなどというものは存在しません。あやまちはそこから必ず何かを学べる恵みなのですから"
本当にそうなのか、バリス。
「また会える気がするの」
「?」
なんの脈略もなく突然聞こえてきた小さな声に耳を澄ませる。
「きっとまた、来世で会える。」
私たちを選んでくれたなら…そう言ってルーナは寂しそうにお腹を摩った。
リヴァイはその上に手を重ねる。
「今世かもしれねぇだろ」
ルーナはハッとしたように顔を上げ、眉を下げて笑った。
「あ、そうだよね…うん」
そうだ。
世界が平和になったら次こそはきっとこの子に会える。
そのためにも、戦い抜いて、絶対に勝利する。
ルーナは固く決心したようにリヴァイを見つめた。
「私ね、後悔はしてない」
「…あぁ。」
リヴァイは真っ直ぐとその真剣な瞳を捉えた。
月明かりに照らされているその姿は煌々としていて、リンクの言っていた月の女神を想像させた。
「この子に出会うためにも、一緒に戦ってほしい、リヴァイ。」
今更気がついた。今夜は月が出ているのか…
だからこんなにも素直になれる…
「あぁ。最期まで戦う」
リンク、お前は今、アリーと喧嘩してねぇよな?
こっちはしてねぇぞ。
ルーナの瞳の奥が月灯りで揺れている。
ずっと見つめ続けていられる…
そう思えるくらいに美しかった。
「お前は強いな…」
頬に手を這わせ、親指を滑らせながら呟いた。
「お前は俺よりもずっと、強いし聡い」