Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
「あの瓶を…飲まされてしまったとき…に…」
消え入るような声がなんとか聞き取れ、リヴァイの血流はますます速くなる。
「あいつか…」
クラム…あのクソガキ…
やはり殺しておくべきだったか
「ごめんなさい…」
「お前が謝ることじゃない」
あのとき気付けなかった俺が悪い。
まさかそんなことまでされていたとは…
迂闊だった。
リヴァイは自分の愚かさを心底呪った。
「だけどね、どちらの子だろうと産もうと思ってたの。はじめは。でも…私は戦い続けることを選んだ。悪魔であり続けることを。それが今の私には相応しい生き方なの…」
「・・・」
「大事なものを捨てられない、そんな自分のわがままで皆の命を踏みにじるようなことはしたくないの。」
「・・・」
「とにかく…勝手なことをしてごめんなさい。」
リヴァイは小さくため息を吐くと、ルーナを振り向かせた。
膝に跨らせると、案の定ルーナは泣きそうな顔で目を逸らしている。
リヴァイは頬を包んで真っ直ぐと見つめる。
「こっちを見てくれ。」
それでもルーナは俯いてしまった。
「全部俺が悪いんだ…俺に責任がある…」
「違う…」
消え入るようなか細い声。
リヴァイは俯くルーナの頭にキスをすると優しく言った。
「とりあえず一旦出るぞ。このままだとのぼせちまう。」
頭に血が昇っていてボーッとしてきているのはのぼせているせいではないとは分かっていた。
しかしこのままだと長湯になりすぎる気がした。