Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
「リヴァイ…」
ルーナがリヴァイの腕に手を置く。
震えているその手指には、どこか儚く光るもの。
「…怒ってる?」
「怒ってねぇよ…」
耳元で優しく囁くと、ルーナが僅かに体の力を抜いた。
「私は…やっぱりまだ皆と戦っていたいの。私だけ抜け駆けなんてできない。エルヴィンの意志を継いでいきたい。最期の瞬間まで…」
やはりそうか、と心の中で呟きリヴァイは目を瞑った。
そういう話し合いもなしに中に出した俺に全責任はある。
「あとね…」
まだあるのか?と…リヴァイは再度目を開けた。
ルーナは言いづらいのか、沈黙が長い。
「なんだ」
「・・・」
リヴァイはルーナを深く抱き寄せると、頭を撫でた。
「言えよ…」
ルーナがようやく小さく声を漏らした。
「隠し事はなしって約束してたのに…ずっと隠してたことが…ある…」
リヴァイの中に不安の感情が流れ込んでくる。
聞きたいのに聞きたくないような、恐怖の感情かもしれなかった。
「大丈夫だ、言ってくれ…」
でもやっぱり知りたい。
お前がなにを考えていたのかを…
俺にも言わずに独り抱えていた思いを…
「リヴァイの子じゃ…なかったかもしれない…」
「…っ…な…」
リヴァイの鼓動がドクンと跳ね、それは密着したルーナにも気付かれただろうと思った。
「ごめんなさい…」
ルーナの小さな吐息のような声がリヴァイの胸を締め付ける。
俺以外の奴がお前の中に…?
そんなことがあってたまるか。
なぜすぐに言わなかった?!
「どういうことだ?相手はどいつだ!」
頭に血が上りはじめ、少し口調を強くしてしまった。
このままだと理性が効かなくなりそうな自分を必死に抑え込む。