Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
ガチャ
扉が開いた音。
泣きながらしがみついているハンジの背を撫でながらルーナは扉に目をやった。
「リヴァイ…」
その呟きに、ハンジが顔を上げる。
「…何をしてやがる」
リヴァイの眉間にみるみるシワが寄る。
そしてつかつかと2人の元へ行くと、ハンジの肩を掴んでルーナから引き剥がした。
「てめぇ、服が汚れちまってるだろうが」
よく見るとルーナの服のところどころにシミができていて、粘着質なものもべっとりとテカっている。
「だぁぁ、ごべんよ…」
ハンジは鼻声でそう言いながら、ルーナのハンカチでブシュシューと盛大に鼻をかんだ。
リヴァイはまさに汚いものを見るような目でハンジを睨むと、ルーナの腕を掴んだ。
「行くぞルーナ」
「え、どこへ…」
「着替えだ」
そう一言言ってルーナを立たせると腕を引っ張って部屋を出ていこうとする。
ハンジは急いでルーナに声をかけた。
「っ、ルーナ!」
ルーナが引きづられながら振り返るのと同時にハンジは言った。
「ごめん…ありがとう…」
「うん…」
眉を下げて微笑むルーナに、ハンジの涙はまた止まらなくなった。
エルヴィン…ごめん…
もう泣かないから…
今日だけは許してくれ…
心の中でそう呟いて。