Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
「ルーナ…じゃあ…やっぱりあなたが飲んだのは…」
ハンジの声も体も震えていてルーナは眉を顰める。
「あのね、ハンジ…何もしてこなかった私は、もうこれ以上抜け駆けなんてできない。あなたたちだけに責任を押し付けて逃げるようなことはできないの。」
「…そんなこと…」
そんなこと思ってない。
そんなふうにルーナを責める人はいない。
そう言いたかったが、胸が苦しくなって息が詰まってしまった。
「これでまたあなたたちの手助けができる。一緒に勝利を掴み取ろうハンジ。」
精一杯手助けになるから、とルーナは笑顔で言った。
どんなに辛く苦しかっただろう。
たった1人で悩ませ決断させてしまった。
ハンジの目尻に涙が浮かぶ。
「ちょっとやだ…そんなに感動しちゃった?」
ルーナが笑いながらハンカチを当ててくる。
違うよ…違うよルーナ。
感動してるんじゃないよ…
言葉が出ずに、次から次へと涙が溢れた。
「私はエルヴィンの右腕みたいなもんだったでしょ?まぁ最後の方はあまり力になれてなかったかもだけど…だから今度はハンジ団長、あなたの右腕…ううん、目になるから。自信を持ってほしい。」
奪還作戦で失ったハンジの片目。
もう片方の目から今、感動の涙が零れた。
大事なものを捨ててまで自分の力になると決意したルーナを渾身の力で抱き締める。
「ははっ、苦しいよ団長っ」
「ルーナ…」
申し訳ない…君にこんな想いをさせてしまって…
だけど正直…心強いのも事実なんだ。
君が力になってくれるなら…
いつも自分を支えてくれていたモブリットも、自分を庇ってあのとき跡形もなく消えていってしまった…
ルーナ、君は光だ…
いつだって。
エルヴィンのあとなんて継げるわけがないと不安しか無かった私に、君は光を差し込めてくれた。
大事なものを犠牲にして…