Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
ルーナはハンジから、地下室で得た情報やその日の戦いについての詳細を一日がかりで聞いていた。
ずっと長いこと、エルヴィンと追いかけてきた夢の真実だ。
この場にエルヴィンがいたら…
結局自分一人で知ることになってしまった。
これは夢が叶ったとは言えない気がしてならない。
あなたと叶えたかった。
それに…
全ての始まりはここからなのだと言わざるを得ない。
「私は団長として、これから調査兵団を立て直さなくちゃならない。」
ハンジは真剣な顔で強く言い放った。
「もちろん私も全力で協力するよ」
ルーナのその言葉に、ハンジは親身な面持ちで声色を抑えて言った。
「ねぇルーナ…ずっと聞けていなかったけど…体の方はあれからどうなの?」
元々生理不順だと言っていたルーナには聞いていいタイミングが分からずに結局今まで詳細を尋ねられていなかった。
しかし、そろそろもう分かっているはずだ。
「ハンジ。心配しないで。全て解決したの。もう何も問題ない。」
「…え?」
もしかして…
ハンジはルーナの不気味な笑みに、予感が当たらないでくれとばかりに心の中で祈る。
「問題ないって…どういうことなのルーナ?」
ルーナは眉を下げて切なそうに笑った。
「…地下に行ったことと、何か関係があるの?」
「…うん。そうだね。」
ハンジは視線を逸らしたルーナの頬を包んで真っ直ぐとこちらを向かせた。
真剣な瞳孔で見つめる。
「お願い。ちゃんと話してほしい。」
ルーナはハンジの両手を優しく掴んで下ろした。
「何も捨てることができない人は、何も得ることができないでしょう?何も捨てることができない人には何も変えることはできない。」
「…ルーナ?」
「ハンジ、私もあなたと同じだよ。エルヴィンの意志を継いでいく。そのために、しなくちゃならない選択をした。…後悔はない」
ルーナの真剣な瞳にハッとする。
あまりにもエルヴィンのいつも宿していた炎に似ていた。