Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
「太陽よりも、月の方が役割がでかいんじゃねぇか?」
「そうかなぁ、でもどちらも大切でしょ。僕たちが生きていく上では…それに…」
リンクは続けた。
「月がなぜ光っているのか知ってる?」
「…いや」
「月は太陽の反射だからさ。」
昼間をつかさどる太陽神と、夜をつかさどる月の女神
どちらもいるからこそ、その存在がより重要で明確になる。
でも、
やはり、
闇を照らす光の存在は大きい。
そこに一筋だけでも光が差し込めば、まるで希望に導かれるように瞳が輝く。
雲に隠れて月が見えない夜は、生物を不安にもさせる。
月は夜の太陽とも言える。
闇の恐怖を払う存在。
"光は闇をも凌駕する"
誰かが昔、俺にこう言った気がする。
俺の中の闇を照らしてくれているのは間違いなく…
「そういえばお前は、アリーとどういった喧嘩をするんだ」
少し意外だと思って聞いてみた。
「うーんそうだなぁ、例えば僕が嘘ついたりしたときとかかな」
「嘘?」
「そう。アリーは心配性でめんどくさいからね。僕が大丈夫じゃないのに大丈夫と言ったり、鋏が上手く使えなくてついた傷を誤魔化してたりとか…そういったことで喧嘩になる。…僕はアリーの前では結構嘘つきなのさ。」
リンクは心底楽しそうに言った。
「お前はなかなか頼もしい奴だな。」
ラベンダーの香りと共に舞ってきた風によって乱れたリンクの髪を手でサッと梳かしながらリヴァイが言った。
随分と綺麗な銀髪だと思った。
昔の親友に似ていて。
「でも面白いと思わない?僕は嘘つきだ、って言ったら、それ自体も嘘ということになるでしょ?」
確かに、自分は嘘つきであるという発言に対しては、真であるということも偽であるということもできない。
…まさに奇妙なパラドックスである。
「はっ、なるほどな。だが安心しろ。俺もアリーに対しては随分と嘘つきだ。」
そう俺は…
昔からアリーの前では、毎回嘘を見抜かれそして訂正されてきた。
いいえ、ある。いいえ、ない。
こういった具合に何度も。さっきだって…
「へぇ、じゃあリヴァイ兄と僕は同じかぁ〜!」
まるで2人だけにしか共感できないことを見つけて喜ぶかのようにリンクが笑った。