Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
アリーの元にリンクを降ろすと、案の定リンクはブーブー文句を言い、アリーがそれに呼応するように宥めている。
「リンク。ありがとうな、面白い話だった」
「またウルフに乗せてくれればいくらでもするさ!」
リンクの声と笑顔はどんな悪人をも純粋な光を感じてしまうのではないかと思うくらいに綺麗なものだと思った。
「リヴァイ、最後に1つ、いいかしら」
「…?あぁ、なんだ」
ウルフに跨ろうとしたときに、アリーが真剣な声色で声をかけてきたので動きを止める。
「あなたは愛を知らないで生きてきたと言ったわね。だから愛するということがわからず、上手くいかないのだと。…でも…」
アリーは真剣な瞳を揺らしながらも、どこか柔らかい表情で言った。
「多くの女性を愛した人間よりも、たった一人の女性だけを心から愛した人間のほうが、はるかに深く女というものを知っているはずだわ。」
その言葉は玲瓏な音となってリヴァイの心に響いた。
アリーは相変わらず人の心を読む天才だとも。
「それからリヴァイ、私のさっき言った冗談は、実は冗談じゃないのよ。」
くすりと笑って言うアリーに、リヴァイはみるみる眉間にシワを刻み出す。
そのままウルフに跨り2人を見下ろして手網を握った。
「今夜は月が出るといいな。だが喧嘩はするなよ」
そう言い残して。
「そっちこそ…」
アリーは静かに呟きながら、自由の翼の背を見送った。