Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
「けど、お互いに大切な役割があるからね。月の女神ルーナの光のおかげで旅人は道に迷うことなく進めるし、悪事は行われず、夜間の安全が保たれる…そう点字本に書いてあったよ。」
「…なるほどな」
楽しそうに喋るリンクに目を細めた。
この世界を1度も瞳に映したことのないお前は…いつもそういった世界を見ているのか…
「それと僕前に、月にはいろんなパワーがあるって言ったよね。例えば満月の日や月が綺麗に出ている日なんかは引力が強くなって神経が活発になるらしい。女性なんかはとくに体の水分量が多くなって妊娠しやすくなったり、出産しやすくなるんだって!」
「…っ…」
複雑すぎる感情が蠢き、言葉を失った。
まさにこのタイミングでこんな話を聞いて、心がざわつかないわけがない。
リヴァイは自分を落ち着かせるように深く深呼吸した。
「…お前は本当に子供なのか?」
どうやらただのガキじゃないらしい。
それは2回目に会った今日、確証に変わった。
リンクはリヴァイの呟きが聞こえていないように話を続けた。
「月が大きくなればなるほど、人の感情も大きくなるんだ。楽しい気分ならもっと楽しくなるし、落ち込んでいればより深く落ち込む。怒りや悲しみも…
ねぇ、そんなことってなかった?」
「あぁ。あった。」
感情が高ぶっているときはいつだって月が出ていた。
初めてルーナにキスをしたときも、抱きしめたときも、初めて抱いたときも、小さな言い合いをする日もいつもそうだ。
ただ…あの日だけは月は出ていなかった。
自分を抑制できず本能のまま激しく抱いて…そのまま…
ルーナをこんな事態に追いやってしまったきっかけのあの夜だ。
「月は感情を増幅させるけど、悪いことばかりじゃない。人を素直にさせたり優しい眠りを与えてくれる…だから月が綺麗な日はよくアリーと喧嘩するけど仲直りもするんだ。」
月は安らぎを与えてくれる存在…
生命の創造と育成を促す存在…
そう理解した。