Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
気がつくと背後にリヴァイが立っており、ルーナの手を引いてそのままファーランのベッドに座らせた。
リヴァイもその隣に腰を下ろす。
「肩...大丈夫か」
「あっ全然大丈夫だよ!私、治癒力だけはすごいからっ」
「・・・」
明るく言うルーナにリヴァイは俯いたまま何も話さない。
「傷も浅いの。リヴァイが手加減してくれたんだよね...本気じゃなかったんでしょ?」
「・・・すまない」
「謝らないで!」
突然声を上げるルーナにリヴァイは驚いて顔を向けた。
ルーナの顔は眉間に皺を寄せ泣きそうな顔をしていた。
「どうしてリヴァイが謝る必要があるの。謝らなきゃならないのは私の方なのに。私は...あなたを...あなたたちを利用してた...それに...」
「いや。お互い様だ」
「違う!私は2人を助けられなかった...もう...会うことも話すことも...できない.....それなのに涙も出てこない!こんなに悲しいのに...悔しいのに...一滴も泣くことができない...本当に...ごめんなさい...私は...」
全部私のせいだ。
なんにもできなかった。
いつも誰かに助けられて、気が付くと生き残っていて…
大切な誰かを助けられたことなんてほとんどない…
「だからお互い様だと言っている」
「え...?」
リヴァイはルーナの震える身体を優しく抱きしめた。
「...俺も泣けないんだ。涙が出ない。それに俺もお前を傷つけた...だからお互い様だ」
ルーナはリヴァイの背中にゆっくり手を回した。
「でも俺は...お前の泣き顔を見てみたいとは思ってる。」
そう言ってリヴァイはルーナの顎に手を添えた。
そのリヴァイの顔にハッとする。
いつもと変わらないように見える冷たい表情かもしれないけど、私には分かる。
まるで泣いているような哀しい表情……
藍鼠色の瞳が揺れている。
その瞳から目が離せなくなり、いつもの様に吸い込まれそうになった。
「……ごめん、リヴァイ…」
「よせ…もう謝るな」
優しく唇が重ねられた。
まだ、こんな私にキスをしてくれるの?
私が辛い時はいつだってしてくれる。
なんで…
そんなに優しくしないで…
誰かに優しくされると、いつも胸が苦しくなる。
切なくなる。